制作会社が利益を出す秘訣:コストの種類に注意!

私はいくつかの制作会社で業務を経験してきましたが、
どの環境でも共通して課題となるものがありました。



制作は販管費を重要視せよ

どんなビジネスも、売上アップと同時に”コストダウン”も常に意識しますよね。

コストといっても様々な種類のものがあります。

通常の受託制作業務は、原価がほとんどありません。
そのため、粗利益率がほぼ100%となります。

つまり、制作スタッフの人件費を中心とした”販管費”がコストの中心です。

原価のある商売ですと、注文量にあわせて仕入れを増やします。
当然、売上が増えると原価も増えますし、
その逆で、注文が無ければ原価もゼロという理屈です。

しかし原価のかからない制作会社でも、注文が無くても販管費がかかり続けます。
制作スタッフの人件費や、オフィスの家賃、電気代・インターネット料金・・
会社には多くの金食い虫が棲みついています。

なので、豪華なオフィスで、多くのスタッフを抱えて・・と、
もしも、売上が多いときに合わせた販管費での事業計画だったとしたら、
要注意ですね。



販管費を増やさない計画をする

期末や年度末など、多量の引き合いが来る時期があります。
断っても溢れるほどの案件の多さで人手不足を感じます。

また、受注した取引が膨れ上がった場合にも、
これまた人手が欲しくなります。

当然、制作スタッフの求人募集を始めます。

案件の規模によっては、猫の手を借りるどころか、
会社として事業拡大さえ計画できそうなものもあります。

しかし、状況が変わって、
プロジェクトが遅延したり、休止したりすると、
膨らんだ販管費だけを抱えて、
売上の無い期間を過ごすことになります。


そこで、ある工夫をします。

制作スタッフの人件費を、販管費ではなく原価の扱いに変えてみるのです。

つまり、自社スタッフとして雇用するのではなく、
外注や派遣などの外部スタッフとして計画をします。

案件や実業務が必要なときにだけ、コストが発生することになります。



総論

細かな状況にあわせて通用しないこともあるかもしれませんが、
多くの制作会社に共通する基礎的な概念かと思います。

また、まさに当社が「デザイナーを支える、システムパートナー
としている所以は、この概念からです。

昨今の制作案件は、デザイン中心のプロジェクトでも、
多少のシステム要件を含むケースが一般的となりました。

そのために、デザイン制作会社が社内にプログラマーやSEを雇用するには、販管費のリスクです。

その解決として、私とパートナーシップを組んで、
案件があるときや、案件の中にシステム要件があるときだけ、
私がその一部をお手伝いします。

今回は「コストは販管費ではなく原価として利益を出す」というものでしたが、
ほかにも制作会社ならではの利益を出す秘訣がありますので、
また別の機会でご紹介したいと思います。