その昔【システムエンジニア】といえば、
徹夜仕事と遅刻が多く、挨拶もせず、ヨレヨレのワイシャツで・・・・
そんな印象が強い時代がありました。
システムエンジニアは、貴重な人材だった?
その昔、私が営業職として勤務していた会社にも、そんな「システム部長」がいました。
当時、私の所属していた営業部は、10名程度の平社員に、2名の課長がいました。
鬼と恐れられる課長に睨まれながらの軍隊のような日々でした。(笑)
そして、そんな鬼な課長両名もがひれ伏す、1人の営業部長がいました。
平社員レベルでは会話する機会すら少ない神のような存在の部長職ですが、
そんな営業部長に対して対等かそれ以上の会話をする「システム部長」がすぐ隣の部署にいました。
全社内で唯一のシステム部の部長というわけですが、
実体は、なんと1人のシステムエンジニアが社内の全システムを管理しているのです。
午後出社は当たり前。人付き合いは上手ではないようで無口。挨拶されてもペコリと返すだけ。
たまにPCを直しに社員の席に来たりしますが、その島の社員は課長を始め全員起立で作業を見守ります。(笑)
「無愛想・無頓着・時間にルーズ、しかし、システム知識のある貴重な人材」
というシステム部長に、妙な強い憧れを持ったものです。
システムエンジニアのNEWタイプが登場
しかし、時代は流れ、IT産業の著しい発展により「プログラミングができる」というハードルは低くなり、
「システムの他に、”+α”で何ができる?」
を当然に求められ、
スキルの格差が大きい時代となりました。
WEB制作の現場では、デザイナー職にシステムスキルを求められるシーンが増え、
「システムに詳しいデザイナー」「アプリが作れるデザイナー」などのマルチスキルを持った人材に、
企業の獲得競争が激化していきます。
そうなるとシステム職も負けじと、営業もできる「セールスエンジニア」が現れ、
デザイン工期までを理解する「プロジェクトリーダー」を兼任したり、
HTMLやCSSなどのコーディングは必須スキルの「WEBプログラマー」になったりします。
独立するシステムエンジニア
システムエンジニア職のベンチャー社長も多くなりました。
元々「手に職」な専門職のため、個人事業主として活動されている方も多いのですが、
WEBの仕事を受託制作する事業で生計を立てるシステムエンジニアが増えました。
受託制作事業のみならず、
コミュニティサービスやオンラインゲームなど何かトレンドのWEBサービスを
自社サービスとして構築して成功する方もいます。
そんな成功者を夢見て、また独立するシステムエンジニアも増えて行きます。
スキルの格差が大きい分、マルチスキルを持った優秀なシステムエンジニアには、
会社に所属していると取引先からリクルートされたり様々なオファーが来ます。
そんなオファーやヘッドハンティングから、ステップアップ転職の波に乗るのです。
そして、一方では、
「自分で独立しても、オファーが止む事なく、モテモテなはず!」
と、
転職ではなく独立の道を選んだりします。
システム会社 社長の誤算
モテ期に独立したシステムエンジニアは、
それまで勤務していた会社や取引先から紹介をもらったりして、順風満帆な受託制作事業をスタートさせます。
「案件は腐るほどある」と言われ、忙しく次々案件を受注します。
同時進行の案件が多ければ多いほど誇りに感じ、納品を待たずにまた新しい案件を受注します。
人手が不足し、スタッフを増やし、会社を大きくしていきます。
受託制作事業そのものは、シンプル。
受注して制作して納品するだけ。何も難しい事はないのです。
そして、様々な試練がやってきます・・。
忙しさゆえに体調を崩したり、スタッフの突然の退職。
納品前のプロジェクトで急なトラブル。火消しのためにまたスタッフの負担が増え・・の悪循環。
気がつくと、新しい案件は受注できる余裕が無くなり、無計画に大きくした会社の販管費だけが日々浪費されます・・・
システムエンジニアは SOHOスタート がおすすめ
システムエンジニアの独立で重要なものは、
・事業のメインサービスとなるシステムの「技術力」
・安定して事業を継続するための「経営力」
の2つですね。
「経営力」は「営業力」にも置き換えることができるかもしれませんが、
「技術力」だけでは、特に、会社のような組織を成り立たせるのは難しいです。
私自身も経験してきましたが、
システムエンジニアの独立で一番のおすすめはSOHOです。
SOHO、つまり、フリーランスのエンジニアとして活動することです。
いきなり法人を設立せず、個人事業主からスタートするのです。
昨今、クラウドソーシングも盛り上がりがありますが、
システムエンジニア職は、”個人”としてのニーズが強いのです。
組織化するより身軽に小回りが利きますので、例えば、期間的な常駐業務もできたりします。
最低限の自分の収益のみに専念して活動ができ、
確定申告だったり会計や諸手続きの経験を積むことができます。
個人事業主としてキャリアを積んで法人成りが、
「急がば回れ」の安定コースとしてオススメいたします。
時代が変わり、システムエンジニアとしての役割や求められるものが変わりますが、
当然これからもまだまだ変化は続くと思います。その時その時のトレンドも変化します。
どんな変化にも順応するために、日々の「情報収集」と「技術鍛錬」が成功のカギなのではないでしょうか。